岐阜キングス・ガーデン 理事長 素描
2025年 5月 皐月
竹内 伸秀
5月、地方によっては田植えが始まりました。また、五月晴れのさわやかな日々を備えてくれています。大人も子どもも大いに楽しむ連休、行楽シーズンが到来します。季節は春からもうすぐ初夏を迎える候となりました。
T大学で31年前から行われている「生と死を考える会」の講演会がありました。久しぶりに参加しました。「ノーベル平和賞受賞と被爆者にとっての生と死」について日本被団協事務局長とスタッフの方のお話でした。
原爆被災者の生き証人としてのお話で(小学低学年時)今でも鮮明に目に焼き付いていることは、「人間の体をして、真っ黒の状態」であった屍を至る所で見たことであった。原爆で一瞬にして14万余の人が亡くなったことに対する事実に直面して、「人間の死」とは考えられない世界を無にするものである。と、力説されておられました。人の死は、戦争で沖縄戦、東京、大阪など全国至る所での惨禍が繰り返されました。核兵器を無くすること、人類は対話によって生きる力を得ることです。憲法97条の条文をお話しいただきました。
原爆という未知であった新しい核兵器への偏見や差別などによって、被爆2世をはじめ被災者のその後の苦しみを理解する一端を学びました。
日常生活を顧みますと、障がい児童に対する偏見も今なお根強く残っています。誰もが自由に生きる力を身に着けることができる社会を実現することがいずれ可能になる。とのお話でした。
世界遺産として「ビキニ環礁」が負の遺産の代表のような形で広島、長崎原爆投下後の2年経過した時点で語り継がれています。日本では、第5福竜丸の乗組員の方が被ばくして亡くなられています。ビキニ環礁での生活移住は、まだメドが立たずにこれからも20数年先まで近寄れない状況です。この負の遺産を世界のみんなが問い直してまいりたいものです。
戦争は、核兵器は、人間が創り出している負の代表的なものであり、話し合いや国連機関での理性ある解決策を創り出していくべきかと思います。ローマ教皇が、亡くなる前日に申しておられたように神の最善が導かれますことを祈ります。