あの夜の闇―救い主の誕生
岐阜キングス・ガーデン
副理事長 河合 昇
「光はやみのなかに輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。」
〔ヨハネによる福音書1:5 口語訳〕
人生の中で経験もしなかった一年が終わろうとしています。新型コロナウイルスで私たちの生活は一変しました。大変な一年でしたが、クリスマスは今年もやってきました。
ヨハネ福音書はクリスマスを「光の到来」と告げます。それは「光が来たので闇は去った」という事ではありません。「光は闇の中に輝く」、つまり、闇はあり続けるのです。
光を探す人は闇を見つめなければなりません。そして聖書は「闇は光に勝てなかった」と告げるのです。
ルカ福音書は、クリスマスの「闇」を記しています。2章7節「・・・客間には彼らのいる余地がなかったからである」
赤ちゃんが「飼い葉おけ」に寝かされても皆は見て見ぬふりをしました。その子は、人として扱ってもらえませんでした。
「自分のことで精一杯、他人を助ける余裕はない」「宿屋の予約をしなかったのは自己責任だ」そんな声が聞こえてきます。
クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う日です。イエス・キリストとは何か。それは「余地」だと思います。「余地がない」と言う世界に「余地」となるためにお生まれになったのです。自分だけという闇に打ち勝つために、イエスを信じるということは、他人に分け与えるということです。それがイエスの救い、十字架の恵みです。
「闇は光に勝てない」これが世界の結論だからです。その事実を告げ知らせるため今年もクリスマスはやってきます。
クリスマスおめでとうございます。