「あなたの落ち穂を」

笠松キリスト教会    牧師 小森文雄

「収穫の落ち穂を集めてはならない。
貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。」

レビ記23章22節
 現代の福祉制度は、おもに税収入によってなり立っています。旧約聖書の時代には、神は「収穫の落ち穂を集めてはならない。貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。」(レビ記23章22節)と命じられました。いやだと言って「落ち穂」を拾ってしまえば、成立しません。一人一人が、主のことばに従って歩むことによってのみ「貧しい者と在留異国人」の生活が支えられていく福祉制度です。
「あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを思い出しなさい。だか ら、私はあなたにこのことをせよと命じる。」(申命記24章22節)と神は、その理由を語っておられます。
自分たちの苦しかった時、助けを必要としていた時のことを思い出して、「畑の隅まで刈らない」「落ち穂を拾い集めない」ようにと、勧められています。一人一人が、主を畏れ敬い、他の人の必要を覚えて歩むことによってのみ成り立つ、福祉制度です。
過去の経験をふり返って、他の人々の必要に配慮するように勧められている主は、将来誰もが経験するであろうことを心に留めて、配慮を求めておられるのではないでしょうか。
私たちは、例外なく老年期を迎えます。そして、誰もが経験する課題に直面することになります。私たちにとって「なかよし村」のための「落ち穂」とは、何でしょうか。「なかよし村」が、入居者にとって安心できる「終の棲家」となるように、進みたいものです。
たとえ一人一人の「落ち穂」は、小さくとも集まれば大きな助けになります。